ポルシェ 試乗記

【新型ポルシェマカン試乗】重厚!カッコいい!けどデカイ!燃費悪い!

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ついについに次期愛車候補筆頭のポルシェ新型マカンに試乗できました!

クラス随一のハンドリングと走行性を誇るマカン。

今回の試乗車は有力選択肢となる2.0L4気筒ベースモデル、いわゆる「素の」マカンです。

大いなる期待を持っての新型マカン試乗。その真価はいかに。

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新型ポルシェマカンのラインナップ

マカンと言えば、ポルシェラインナップの中で最も販売台数の多い最量販車。

カイエンの弟分として登場したものの、そのカイエンを凌ぐヒット作となった現ポルシェの屋台骨です。

2019年にマイナーチェンジを行いリニューアルされたものの、基本的なラインナップはこちら。

マカン2.0L直4ターボ6,990,000円
マカン S3.0L V6ツインターボ8,590,000円
マカン GTS3.0L V6ツインターボ9,810,000円(旧モデル価格)
マカン Turbo3.6L V6ツインターボ11,000,000円(旧モデル価格)
マカン Turbo Performance3.6L V6ツインターボ11,940,000円(旧モデル価格)

現時点で発表&価格が判明しているモデルは素のマカンとマカンSのみですが、前モデルのラインナップを踏襲してGTS以上のモデルも随時追加されていくものと思われます。

下は699万円から上は1,194万円まで、と言ってもあくまでこれはラーメンで言えばスープと麺のみのお値段。そこにどんなトッピングを施すか、どんな味にするかで全くお値段が変わってくるのがポルシェの特徴です。

BMWやベンツはある程度パッケージされて、プライスタグとそう乖離しないお値段で乗ることが出来ますが、ポルシェは顧客のカスタマイズ幅を設けていると言いますか、好きなようにアレンジできるのが最大のウリです。

もちろんそうなるとお値段はぐんぐん上昇。カーコンフィギュレーターであれこれ弄るとわかりますが、ベースモデル「素のマカン」でさえちょっとホイールやインテリアを変えて、キーレスを付けたり、アクテイブサスペンションを追加するだけで簡単に1,000万円を超えてきます。

上位モデルになればある程度、各種オプションが標準装備となりますがポルシェの基本的な考えは「顧客が好きなようにカスタマイズして乗る自分だけの一台」ということ。

「エンジンとシャシーは完璧に仕上げたよ。金があるならあとは好きにやってね」というスタンスで、何もオプションを付けなくてもとりあえず珠玉のシャシー性能は味わえる。最初からあれこれパッケージして高額になるよりも「選択の幅」という意味では確かに顧客本位のシステムかもしれないですね。

まあ、とにかく他社では普通に標準で付いてる装備ももれなくオプションなので庶民にはなかなかシビアな世界ではあるんですが・・。

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新型ポルシェマカン試乗!

エクステリア

マイアミブルー

新型から設定されたオプションカラーの「マイアミブルー」

それではエクステリアから見ていきましょう。

カラーは新型から新たに追加されたマイアミブルー。写真ではド派手な印象ですが、実際は率直に「イイ色!」です。

サイドスカートやフロントエプロン、タイヤ、プライバシーガラス等、黒い部分との対比がとってもキレイ。

マイアミブルーというだけに、燦々と陽射しが降り注ぐような天候だとより美しさが強調されて素晴らしい。雲天だとちょっと物足りない表情ではありますね。明らかに夏が似合いそうな色ではありますが、、あたり一面の雪景色の中でもとてもキレイに映えそうな色です。

正直言って、アリ。

カタログ写真を眺めていると、「さすがに派手過ぎでしょ〜」と思っていましたが実物を見て好転。これはアリですね。選択肢として充分にアリです。

ちなみにオプションカラーなのでお値段+387,000円なり!ってカラーだけで38万円!?高い。。

サイドビュー

ボディ同色のサイドブレードもオプション。

サイドビューを見れば見るほど、いかにもスポーツカーメーカーが作ったSUV然としたスタイルで、メルセデス・ベンツGLCクーペやBMW X4等、最近流行りの「クーペSUV」をまた別のカタチで表現したクルマ。SUVというより、背が高めのステーションワゴンという感じでしょうか。

流行り廃りというよりは、割とオーセンティックな雰囲気で堂々とした佇まい。カイエンも最近クーペタイプを出しましたが、マカンは最初からクーペタイプSUVだった訳ですね。

ちなみにボディ下部のサイドブレードは本来黒↓ですが、

試乗車はオプションにてボディ同色塗装がされていました。ちなみにその価格94,000円!

個人的には、サイドブレードが黒いことでこの部分が一段「締まる」感じもするんですよね。どちらも甲乙つけがたいものの、どちらかと言えばノーマルの黒色塗装の方が好きです。

特に、黒との相性が良いマイアミブルーなら尚更。

フロント

旧型は標準がハロゲン。新型はLEDライトが標準に。

全幅は1,923mmとかなり大型。カイエンの1,983mmに比べれば小さいもののそれでもかなり幅広の部類。トレッドを踏ん張るように広めにとり、キャビンはタイトに狭めることで安定性とコーナリング性能を高める狙いが感じられますが、実際この幅感、特に日本の道路事情だとかなり大きく感じます。

以前試乗したBMW X4も1,920mmとほぼ同等にワイドでしたが、不思議とそのデカさを感じることは無かったように記憶しています。

が、今回のマカンでは市街地や山間部のワインディング等でどうにも窮屈な感じが否めず。感覚的には道路の幅いっぱいに(実際そういう所もある)クルマが鎮座しているような気が終始していました。

なんでしょうね、視界もよく見切りも良いのですが大きさにはかなり気を使いました。そのせいか、ワインディングでも道路が狭く感じ、純粋に走ることに集中出来ないと言うか・・。

しかし、このワイド感がマカンの特徴でありウリで、特にフロントフェイスはこれでもか!というような威風堂々の佇まいです。

 

フォグライトは丸型からバー型に変更。

以前は丸型だったフォグライトはサイドのエアインテーク2段目を覆うバー型に変更。フロントだけで旧型と新型を瞬時に見分けるには恐らくここが唯一のポイントではないか、というくらい全体的な印象は変わってません。

「ヘッドライト部から連なるサイドフェンダーの「山」はボンネットよりも高くする」というポルシェ伝統のデザインアイデンティティもマカン・カイエンではかなりおとなしく、というか「無い」ほどに抑えられていますね。

よ〜く見るとフロントライト部分はボンネットより高く盛り上がっているように見えますが、ここを抑えたことでよりモダンな新時代ポルシェの印象に繋がっているのだと感じます。

 

フロント周りも「黒」と「マイアミブルー」の対比が美しい。

ボディ全体の構成を見てみると、特段、複雑な面構成をしている様には見えず、スタイルを強調する派手なキャラクターラインが入っているわけでもないのに、フロント〜サイド〜ルーフ〜リアと続く一連の流れが途切れずひとつの塊としてしっかり成立しているのがポルシェのスタイリングの凄さ。

曲面と曲面がきれいに繋がっていき、どこにも破断がない。素晴らしいですね。

標準装備のフロントエプロン。

ちなみにもうひとつ旧型からの変更点として、標準装備されたフロントエプロンがあります。

これ、結構かっこいいですね。旧型ではこの出っ張りがなくツルンとしていましたが、新型ではいいアクセントになっています。

ところが、485,000円もする「スポーツデザインパッケージ」というオプションを付けるとこの品のいいフロントエプロンがなんと無くなってしまうんですよね。

「スポーツデザインパッケージ」仕様のフロント。

いやいや。。旧型の印象には近くなりますが、のっぺりして抜群にカッコ悪くなってます。完全にいらないオプション。。

リア

気を取り直してリアです。恐らく、今回のアップデートで最もわかりやすいのが、最新のポルシェファミリー共通の意匠であるリアテールランプです。

通常「PORSCHE」の下にモデル名刻印があるが、オプション(¥0)で無しに。

旧型の左右分離したテールランプもあれはあれでカッコいいと感じますが、やはり一段モダンな印象を与えるのがこの繋がったテールランプ。

その中にPORSCHEの文字が立体的に埋め込まれています。

遠目から見るより近くで見れば見るほど芸の細かさに圧倒されます。

いやはや、これは文句無しにカッコいいでしょう。洗車するときは綿棒で仕上げるレベルです。

ポルシェの全モデルに採用されている繋がったテールランプ。マカンが最後に採用。

にしてもお尻周りもワイドな張り出しが素晴らしいですね。いかにも筋肉質で踏ん張りの効きそうなシルエットです。

後方から見てもトレッドは広く、キャビンはタイトなマカンの基本コンセプトが見て取れます。

ちなみにタイヤは前後異径。標準で前は235/60R18、後ろは255/55R18のこれまたワイドなタイヤを履きます。マカンGTSになると標準で前265、後295(!)の20インチが付きます。過激です。

悪天候時の視認性も◎

インテリア

コクピット

例えばメルセデスの有機的な空間なんかとは一線を画して、BMWやaudiと通ずるようなジャーマンモダンな室内。質実剛健、悪く言うと冷たい印象すら与えるような、直線基調でクールな雰囲気です。

装飾的要素はかなりストイックに削ぎ落とした印象ですね。

パーツパーツは意外と普通(?)だが・・

要所要所を見てみるとシボのパターンであったり材質的なものは意外と普通な印象で、↑例えばこの部分だけを見ればマツダと言われても充分に信じてしまいそうな雰囲気。

各ボタンにはメッキの装飾が必ずついている。

ところどころにステッチが入ったり、ほとんどのボタンにメッキ装飾が施されてはいますが、コレ自体は特段ラグジュアリーな感じではなく、言わばありきたりなデザイン。

しかし、全体の雰囲気で見るとなぜか高級感というか洗練された雰囲気が漂うのが不思議なところで、トータルのまとめ方が上手い。デザイナーの妙技を感じる趣でした。

ステアリングは「平らな」握り心地。

ステアリングには当然ながら威光を放つポルシェエンブレムが鎮座し、このエンブレム自体が全体の雰囲気をもう一段高めているのは間違いなさそうです。

ステアリングは一見太く見えるものの、実際は奥行き方向に厚く、横方向には薄い設計で、握ってみると平べったい印象。断面にすると尖った楕円形になると言えばわかりやすいでしょうか。

しかし個人的な好みで言えば単純に太さでもって握りやすさ、扱いやすさを向上させているタイプが好きで、ちょっと扱いづらく感じたのも事実。

シート

素材はアルカンターラで正解も、シート自体のホールド性はもう少し欲しい。

シート地は標準のアルカンターラ。これが、スムースレザー仕様になるとお値段+520,000円、ナチュラルレザーになると+720,000円(!)に跳ね上がります。

レザーは完全な贅沢仕様ですね。シートのホールド性という機能面では人工皮革であるアルカンターラはかなり優れています。スエード調の若干起毛した表皮が滑りを抑制し、シートのホールド性を高めてくれます。

が、このシート、形状自体は至ってシンプル。クッションは柔らかすぎず硬すぎずで適度であるものの、形状自体にもう少しホールド性があるか、サイトサポートを調整できると尚嬉しいと感じました。

気になる各部の操作感

各スイッチ類の感触は少々固め。

主にエアコン関連と走行に関わるボタンがセンターコンソールにずらっと配置。

例えば最新のボルボのように車両のありとあらゆる機能ボタンをインフォディスプレイに集約する向きもあるものの、個人的には仕様頻度の高い機能については物理ボタンとして残すことに賛成。

その方が運転中の操作が圧倒的にしやすいからで、その意味ではマカンのセンターコンソールも理にかなった造りであると感じました。

ディスプレイの中の車両設定を覗いてみると、意外と運転に関わる設定変更項目は少なく、センターコンソールにあるものでほとんど。

SPORTモードのボタン、トラクションコントロールOFFボタン、OFF ROADボタン、レーン・ディパーチャー・ウォーニングON・OFF、アイドリングストップON・OFFとほぼすべてが揃っています。

これにオプションのアクティブサスペンション(PASM)を付けたりするとここにボタンが追加される様で、空きスペースもまだいくつかありました。

例えば飛行機のコクピットがあれだけボタンだらけなのも、その方が操作しやすいからで、なんでもかんでもディスプレイに内包していくのには正直反対。

そういう意味で

さすがはポルシェだな

と感じたものの、ただ、各スイッチの操作感は割と硬め。全体的にクリック感に乏しいというか、接触感が少々薄い。各ボタンはしっかりと力を込めて押さねばならず、もう少しフィードバックのある軽い押し心地だと良かったのに。と感じてしまいました。

ちなみにパドルシフトの操作感、クリック感はかなりイイ。

操作感で言うとシフトレバーも昔ながらの物理的にガチャガチャっと動かすタイプで、電子式に慣れた身としてはかなり重く感じてしまった。

特に車庫入れ切り返しのような場面ではRに入れたつもりがガチャっと行き過ぎてPに入っていたりで手間取ることも。

そして、ステアリング周りの各種レバーもかなり硬派な感触。特に操作頻度が高いウィンカーレバーはかなり硬めで、操作するたびに「何かが折れたんじゃないだろうか」というくらいバキッとした感触が伝わってくるのは結構気になってしまった。

しかし、あえてこれがポルシェの演出だと言われれば、「恐れ入りました。」という話で、クルマ自体のどっしりとした重厚な感じと確かにリンクしている感じはします。本当の所はいかに・・。

インフォテインメントシステム

インターフェイスは洗練されていて使いやすい。

インフォテインメントシステムはディスプレイが旧型に比べよりワイドになったことが大きな変更点。

システム自体も最新のものにアップデートされたようで、もちろんタッチパネルで使い勝手は良好。インターフェイスのデザインも洗練されていて、特に迷うことなく操作できるスグレモノ。

だが、しかし!

操作のほとんどを画面へのタッチで行わなくてはならないのは大きなマイナス。やはり他社と同じく、手元にコントロールユニットがあってほしかった。Volvoならともかくとして、ドライバーズカーメーカーであるポルシェだと尚更そう感じてしまう。

一応、画面下にはよく使うであろうメイン機能のボタンがあり、左のダイヤルは音量、右のダイヤルはスクロールするときなんかに重宝はするものの、運転中そこまで手を伸ばすのはやはり億劫。

走り・ハンドリング・エンジン!

2.0L直列4気筒ターボ

試乗したベースグレードのマカン、いわゆる「素の」マカンに搭載されるエンジンは2.0L直列4気筒ターボ。

そのスペックは、

New Macan

  • 2.0L直列4気筒ターボ
  • 最高出力 185kW/5,000-6,750rpm
  • 最大トルク 370Nm/1,600-4,500rpm
  • 0−100km/h加速 6.5秒

カタログに燃費の記載はありませんが、今回の試乗ではおよそ200kmをほぼSPORTモードで走った結果8.8km/Lという数値でした。高速道路が1割も無いくらいでその他は市街地と山間部ワインディングの走行。

もちろん燃油はハイオク指定。普段、リッターあたり16km以上、高速道路多用ならばリッター20kmを超えてくるディーゼルエンジンに乗り慣れた身としてはかなりシビアな数値に感じます。

この2.0L直列4気筒ターボはVW製、ゴルフGTIに使われているものと同じ様です。上位モデルのマカンS、GTS、ターボに比べるとスペック上は見劣りするかもしれませんが、しかし必要にして充分なパワーとトルクと感じます。

これでなんの不満があろうか

という位、特に日本の道路環境だと充分。メーターも280kmまで刻印されているし扱いもしやすい。むしろGTSやターボのパワーを日本の速度域で使い切れるかが疑問です。せいぜい高速の合流でぶっ放すくらいじゃないでしょうか。

そして何より小さなエンジンは軽い。

マカンの車重は1,840kg、前軸重は1,000kg、後軸は840kgで前後重量配分は54.3:45.6。これがV6 3.6Lを積むマカンターボになると前1140kg、後880kgで車重2,000kg超え、前後重量配分は56.4:43.6になります。

フロント自体は140kgも重くなり、前後重量配分も2ポイントほど前寄りに。もちろんエンジンのパワーがそれを打ち消すとは言うものの、やはり軽さは正義。

実際運転してみると、交差点の左折では瞬時に向きを変え、ボディの大きさに似合わない軽やかな回頭性を見せました。

上位のモデルになれば当然パワーは増すものの、マカンSは+90kg、GTSでは+110kg、ターボでは170kgも重量が増すことを考えれば多少非力でもバランスと回頭性に優れたベースのマカンがやっぱりベストモデルなのではないか。と考えさせられました。

もちろん、経済的な理由もありますけどね!

ただし、どこでそのパワーを解き放つのかは別として、日常+αの領域を超えた明らかに刺激的な世界をクルマに求めるならばSやGTSが有力なのでしょう。2.0Lでも事足りるのは承知しつつ、非日常体験のようなスペシャルを求めるならば上位モデルを求めたいな、と感じたのもまた事実です。

それにしてもポルシェ謹製の7速PDKはすごい。パドルシフトを操作するとよくわかりますが、爆速シフトチェンジチェンジです。

シフトアップもダウンもタイムラグの存在をまるで感じさせない素晴らしい感触です。マカンにMTはありませんが、他モデルならあえてPDKを選びたくなる人もいるのではないでしょうか。

走り

走り出しの印象は、一にも二にもとにかくそのシャシー性能の高さ。ベースとなるプラットホームをaudi Q5と共有しながらも、溶接箇所を増やしさらに剛性を高めたのがマカンのボディです。

ドアの開け閉めからして、隙なくガッチリと造られていることが窺い知れ、走り出してもキシミ音ひとつしない剛性感。強大な塊の中に入ったような安心感と安定感。

とてつもなく重厚な感触でした。

試乗車はサスペンション系のオプション(PASMやエアサス)はなく、普通のバネによる可変しないサスペンションでしたが、タイヤが標準18インチであったこともあって不快な突き上げは皆無。

アクティブサスペンション(PASM)なしでこの快適性。恐れ入りました。

タイヤはHANKOOK製。

ちなみに新車装着タイヤはミシュランかハンコックの2タイプあるらしく、試乗車は残念ながら、、と言うと失礼かもしれませんがハンコック製でした。

こればかりは購入側に選択の余地はなく、完全に運頼み。

なんとなく、、というか完全に根拠のないイメージですが、、ミシュラン製の方がいいですよね〜。

とは言え、ポルシェが承認した訳ですから性能的には申し分ないのでしょう。

足回りに関しては、メーカー云々よりやはり18インチだと少々心もとないかもな。という印象。

街乗りでは至極快適で、段差や荒れた路面をコツコツといなす当たりの柔らかさに感服しましたが、ちょっとワインディングを走り抜ける場面ではワンテンポ遅れるような、タイヤに荷重が乗って回頭し始めるまでに一瞬の間が存在するような、そんな感覚。

当然、わずかに(といってもこの車格からすればほんとうに少しだけ)グラつくような挙動も混ざって、ワインディングを右に左に軽快に駆け抜ける感触は薄い。

ちょっとボディのガッシリ感、重厚感に足元が負けているような・・

21インチはやり過ぎだとしても、20インチくらいにPASMを付けて快適性を確保しながら、足回りのしっかり感もプラスできればかなりいい走りをするんじゃないか。そんな風に感じられたのが18インチの印象です。

ハンドリング

という事で、ハンドリングはボディのしっかり感と足元のほんの少しルーズな感じが相まって、全体的に少々重たさを感じる印象。

もちろん加速はイイし、トルク感も充分。ブレーキの効きはむしろ良すぎて扱いづらいほど制動力がある。まっすぐ走る分にはかなり軽快な身のこなしを見せるものの、コーナリングに入ると途端にモサッとするような、重みが現れるような感じ。

せっかく回頭性がいいだけに、本来のポテンシャル的にはもうちょっとクイックに曲がれるはずなのだが。。

20インチにしてちょっといいタイヤを履かせてみれば、、もちろんバネ下重量増によって出だしは鈍るかもしれないものの、違った顔が現れるのではないかと推測。

その装備のマカンに是非乗ってみたい所ですね。

ちなみに、プラットホームを共有するaudi Q5は前輪駆動ベースの4WD。対するマカンは基本的に後輪駆動ベースの4WD。

メーター横に常時表示される前後トルク配分モニターを見てみると、平常時は後輪8:前輪2くらいの割合でトルクが配分されている模様で、急加速時や登り坂、OFF ROADモードを選択した時は前輪へのトルク配分が増し、最大で前後5:5の配分に変化する様子。

よって、単純なFR車よりは明らかに走行安定性が増しており、後輪がグリップを失って空転するような場面は皆無だった。

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欲しいか??

現愛車は今や絶滅種となったFRコンパクトハッチバックのBMW 118d。FR故の自然でクリーンなステアリングフィールと優れた前後バランスからくる抜群の走行性。そして何よりも走る楽しさが存分に詰まっているクルマ。

運転の楽しさには大いに満足しているものの、年に数回は雪道を走る必要があり「運転の楽しさを堪能できる4WD」というのが少し気の早い次期愛車の条件。

となると、「走れるSUV」が有力候補、その中でも走りやハンドリングに一段特化したマカンは最有力候補と考えていましたが・・・結果、迷いの生じることになったのが本音。

まず、気になったのがそのサイズ、特に横幅。全幅1,920mmはやはり大きい。

前述したように、普段なら何の気なしに走り抜ける、むしろ走りを存分に楽しめるであろうワインディングロードも、車両の幅が気になって窮屈に感じてしまう。

高速道路や国道のバイパスのような広い道路であればなんのストレスなく走行できるものの、少し市街地に入れば両側に電信柱が乱立する単車線のすれ違い道路なんかがいくらでも存在するのが日本の道路環境。

一般的な駐車場でさえ、このサイズだと結構気を使う、というかほぼ枠いっぱいに駐車することになる。こういう小さいけど割と無視できないストレスとどう折り合うか。という部分。

そして、燃費。

燃費を気にして乗るクルマでは無いことは承知の上、しかし走りは良く、パワーも申し分なくて、おまけに燃費もいい。そんなクルマがある中であえてハイオクでリッター10kmを切るマカンの経済性とどう折り合うか。

この部分、実は経済性以外に運転の楽しさにも繋がってくるところ。

好きなだけ走ってもまだ半分燃料が残っているクルマと、好きなだけ走ったらほぼ燃料が無くなってしまうクルマ。

このちょっとした安心感の差は案外大きい。

ポルシェマカン。実に素晴らしい。そして実に悩ましい存在である。

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