満を持してのデビューとなったBMW新型X3を早速試乗レビューしました!
これまで試乗してきたSUV
の中では最も高価格な、プレミアムSUVになります。BMW謹製のSUV、その実力はいかに!?
新型BMW X3ラインナップ
最新のBMW X3ラインナップはこちら。
X3 xDrive20i | スタンダード | 6,375,000円 |
xLine | 7,210,000円 | |
X3 xDrive20d | ||
xLine | 7,420,000円 | |
Mスポーツ | 7,450,000円 | |
X3 xDrive30e | xLine Edition Joy+ | 7,780,000円 |
MスポーツEdition Joy+ | 7,810,000円 | |
X3 M40i | 8,890,000円 | |
X3 M40d | 9,010,000円 |
決してお安くはないです。はい。
この辺りは現在の愛車をいくらで売却できるかで大きく変わってきますね〜。
最近はオンライン中古車オークションに出品してくれる楽天のサービスなんかもあるらしく、まずはどんなもんか試してみるのもありですね。
ところで、プライスリストを改定していて気づきましたが当初より全体的に30万円ほど車両価格が値上げされているようですね。
これによってM40dはなんと900万円オーバーに。
Mパフォーマンス「M40i」、プラグインハイブリッド「30e」追加!
X3のラインナップは着々とアップデートされており、2020年に入ってガソリンエンジンのMパフォーマンスモデル「M40i」、そしてプラグインハイブリッドモデルの「30e」が新たに追加されました。
また、ベースモデル「20i」のMスポーツと、ディーゼル「20d」のスタンダードグレードがそれぞれ廃止。
これでパワートレインは計5種と、なかなかの充実ぶりです。兄弟モデルのX4は未だにひっそりと2種のパワートレインでの展開であることから、X3へのチカラの入れようが見て取れますね。
特に、Mパフォーマンスモデルがディーゼル版とガソリン版両方とも揃えられるのはかなり珍しいパターンではないでしょうか。
ハイブリッドモデルは各モデルに続々投入されている模様です。
それでは全5種のエンジンスペックを。
X3 xDrive 20i
- 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
- 最高出力 184ps/5,000rpm
- 最大トルク 300Nm/1,350-4,000rpm
- 0-100km/h加速 8.3秒
- 燃費 11.5km/L
X3 xDrive 20d
- 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
- 最高出力 190ps/4,000rpm
- 最大トルク 400Nm/1,750-2,500rpm
- 0-100km/h加速 8.0秒
- 燃費 17.0km/L
X3 30e
- 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
- 最高出力 184ps/5,000rpm
- 最大トルク 300Nm/1,350-4,000rpm
- 燃費 14.2km/L
X3 M40i
- 3.0L直列6気筒ツインパワーターボ
- 最高出力 387ps/5,800rpm
- 最大トルク 500Nm/1,800-5,000rpm
- 燃費 10.4km/L
X3 M40d
- 3.0L直列6気筒ツインパワーターボ
- 最高出力 326ps/4,400rpm
- 最大トルク 680Nm/1,750-2,750rpm
- 0-100km/h加速 4.9秒
- 燃費 14.9km/L
謎の「Edition Joy+」??
ところで、プラグインハイブリッドの「30e」のグレード名にはそれぞれ「Edition Joy+」という名前が入りました。
これはBMWのクリーンディーゼル、プラグインハイブリッド、EVモデルにのみ冠される表記で、要は「値引き」だそうです。
仕様・装備はそのままに、「Edition Joy+」モデルは車種によって10万円〜50万円引きのプライス設定となっている模様。
X3では30e Edition Joy+が従来よりマイナス55万円の価格設定となっています。
単なる価格改定とせず、新たなグレード名を付与する。という戦略で、環境低負荷モデルを積極的に売っていこうという魂胆のようです。
Mパフォーマンスモデル「M40d」追加!
ガソリンエンジンの20iと、ディーゼルエンジンの20dに続いて投入されたMパフォーマンスモデルの「M40d」。
もちろんxDrive、4WD仕様です。
「d」が示すようにディーゼルエンジンのMパフォーマンスですね。X2やX4にも追加されたMパフォーマンスモデルはラインナップ中最も過激で最強なハイスペックモデルになりますが、大半がガソリンエンジン仕様でした。
X3のようにディーゼルエンジンのMパフォーマンスはちょっと珍しいですね。
当然ながら、突出したスペックを示しています。直6、3.0Lツインパワーターボ。最大トルクは680Nm(!)、0−100km/h加速は4.9秒でありながら燃費は14.9km/Lというディーゼルの素晴らしさが全部出たような数字です。兄弟格のX4 M40iだと最大トルクは500Nm、燃費は10.9km/Lまで落ちます。
店頭で一時間ほど一般道・高速道路と試乗させてもらいましたが、とにかく強大なトルクでぐんぐん加速するモンスターでした。
1,750回転から最大トルクの680Nmを発揮するので、車重をもろともせずあっという間に制限速度に到達していしまいます。高速道路でも合流車線から一気の加速であっという間に制限速度。
全パワーの半分も使わずにかなりの速度に到達してしまうので、「もっとスピードだしたい!!」という欲に駆られます。アウトバーンに行けば能力全開で走行できそうですが、ちょっと日本の道路環境だとなかなか使い切れない感じもしました。
経済性と湧き上がる豊かなトルク感。特に車重の大きいSUVとディーゼルの相性はピカイチで、BMWが珍しくMパフォーマンスモデルにディーゼルエンジンを設定したのも頷けます。
試乗車はX3 20d Mスポーツ!
さて本記事で試乗したグレードはディーゼルエンジンを積むX3 20dの最上位グレードであるMスポーツ。現在のX3ラインナップで上位に位置するグレードとなります。モデルチェンジ当初、国内に入ってきているのは試乗車と同じ20dのMスポーツのみらしく、全国のディーラーを探しても他グレードの試乗車、展示車は確認出来ませんでした。
カタログの諸元表でも当初20iの方は一切データが入っておらず、この20d Mスポーツのみが先行して市場投入された模様です。
ところで、価格表を見ていて気付きましたが、xLineとMスポーツの価格差は3万円しかないんですね。X1でも約20万円程の差が付いていたので、新型X3ではMスポーツが最上位グレードと言うよりも、エントリーモデルのスタンダードに対し、アウトドアSUVなxLineと都会派SUV的なMスポーツの二極体制といった趣でしょうか。
Mスポーツの方がスポーツATやサスペンション、パドルシフトが装備されたり外観の迫力(特に顔)が増しますが、どちらも19インチのホイールを履き、最低地上高も同じ。インテリアではxLineの方にMスポーツではオプションとなるフルレザーシートを標準装備していたり、Mスポーツ=最上位とは断言出来ない程にxLineの装備も充実している印象です。それが価格差にも現れていますね。
BMW新型X3 20dを早速試乗!
エクステリア
ファイトニックブルー
ではX3 20d Mスポーツの外観をチェックしていきましょう。
何と言ってもまずはこの大迫力のフロントフェイス!Mスポーツ専用のエアロダイナミクスがフロント・サイド・リアにも装備。特にフロントは文句なしにカッコイイ。
フルモデルチェンジを経て現在のBMWデザインを踏襲するスタイルになりました。
大型化した立派なキドニーグリルと、立体感のある面構成。ここだけでもずっと眺めてられるような官能的な造形ですね。美しい・・・。
試乗車のカラーは「ファイトニックブルー」。一見、エストリルブルーかと思いきや、一段色が濃い感じがしますね。高級感もあり、且つ落ち着きすぎず適度に攻撃的な香りもする実にいい色。
東京モーターショーにて展示されていたものと同じですね。オプション装備内容もほぼ同じ。
ちなみに試乗車にはオプションてんこ盛りの「デビューパッケージ」(約62万円)が装備されていました。後述しますが、このオプション込みでの価格は800万円に迫ります。・・・高い。です。はい。
オプションの20インチホイール
早速そのオプションによって試乗車には標準19インチではなく20インチのホイールが装着されていました。タイヤはピレリP ZERO。快適性云々より明らかに走行性能に振ったこれまたプレミアムなタイヤです。
このホイールによって見た目はさらに増強。
迫力のサイドビューを演出します。
こう見ると弟分のX1にも通じるプロポーション。FFとFRでボンネットの長さは明らかに違うものの、ショルダーからお尻に流れるラインやリアの盛り上がり等、ちゃんと共通のデザイン言語で形作られていることがわかります。
こういう所が欧州車の良い所です。近年のマツダはこれに近い手法を取っていますが、「スタイリングによるブランドの向上」に一役買うやり方です。BMWはどのモデルもちゃんとBMW。
肝心の乗り心地は、

乗り比べてないのでノーマル19インチとの比較は出来ませんが、ガッチリとした接地感とディーゼルの豊かなトルクに負けない剛性感、ドスンとした安定感があってとっても気持ちいい!!確かに路面の状態によっては硬さが目立つ局面も有るには有る。しかし、Mスポーツサスペンションともマッチしてグリップ感も良好でとにかく走りやすいし安心感がものすごい。
リアビュー
続いてリア。
こちらもひと目でBMWだとわかるデザインです。エンブレム上の凸ラインとか、テールランプのカタチや繋がり、Mスポーツ特有のバンパーの造り、フェンダー周りの盛り上がり。ここもちゃんとBMWですね〜。好き。
標準19インチだと前後同型タイヤですが、20インチオプションになると前後異型(F:245/45R20、R:275/40R20)になるようです。リアタイヤの幅は275mm!迫力あります。
インテリア
オプション装備
試乗車にはオプション全部のせ、てんこ盛りの「デビューパッケージ」が装備。その内容は
- ハイラインパッケージ ¥292,000
・ランバーサポート
・シートヒーティング(リア)
・レザーシート
・インテリアトリム - セレクトパッケージ ¥281,000
・電動サンルーフ
・リアサイドブラインド
・harman/kardonサラウンドスピーカー - イノベーションパッケージ ¥171,000
・BMWディスプレイキー
・BMWジェスチャーコントロール
・BMWヘッドアップディスプレイ - アンビエントライト ¥50,000
- 20インチホイール ¥167,000
これら合計961,000円分のオプションを約62万円そこらで装備する「お買い得」パック。これだけ色んな装備が付けばそれはそれはインテリアも豪華になるわけで。無くても良いかもしれないけど、あればあるほど良い数々の贅沢装備はインテリアを更に豪華に演出していました。
サンルーフ
まずはサンルーフ。後席の頭上まで続く、少しスモークのかかった大きなガラス。前部のガラスを少しだけ開けたり、全開放したり、スイッチ操作も分かりやすい。前席はさほど視界に影響は無いものの、後席からの開放感は秀逸。ただ、車両重量がサンルーフのみで30kg増しになってしまうのは痛いところ。走りを考えても車両最上部にそれだけの重さが加わるわけで、重心がバランスが悪くなりそう・・・。(全然感じなかったけど)
ヴァーネスカレザーシート
Mスポーツではオプションとなるフルレザーシート。お色は「コニャック」
写真だと随分鮮やかな色合に写ってますが、実際はもう少し落ち着いたイイ色です。
ダッシュボードの黒と好対照で、とってもおしゃれで質感マックスの室内です。シートは電動。同じく電動のランバー(腰部)サポートは高低の位置調整とサポート強度調整機能付き。
オプションによって前席に加えリアにもシートヒーティングが装備対応。冬場のレザーシートは冷たいですからね。
ジェスチャーコントロール
最近の流行りですがジェスチャーコントロールはBMWの場合オプション装備となります。
ジェスチャーコントロールで可能な操作がある時に、その機能をボタンで行おうとすると「ジェスチャーでも出来るよ〜」という表示が出ます。それに従ってジェスチャーをするとこの通り操作ができます↓
X3のジェスチャーコントロール pic.twitter.com/c7j5Gx1Pvk
— モッティ@カーモット! (@carmotto) January 15, 2018
一番多用したのはこの音量調節ですかね。その他にも色々有るみたいですが使いきれませんでした。今後ソフトウェアアップデートかなんかで続々と機能が追加されていくのでしょうか。現状ではさほど多くの機能が割り当てられてはいないようです。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)
最初にCX-5で体験した時は感激しましたが、今となってはさほど珍しくはなくなったヘッドアップディスプレイ。
ナビの案内やACC時には速度設定や車間設定、レーン・コントロール・アシストの作動状況、他にはオーディオ使用時の曲送り情報などをフロントウィンドウに表示します。これも将来的にはもっと規模が大きくなって、フロントウィンドウ全体がディスプレイになったりARを活用したりするのでしょうか。今後の発展が楽しみですね。
現状ではまだまだ情報量は少ないですが、ナビを使う時は視線移動が少なくなって快適です。