BMW 試乗記

【BMW X2試乗】圧倒的スタイリングと走行性能!軽快な都市型SUV!

更新日:

BMWのクーペタイプSUV、X2に試乗しました!

X2の登場でXシリーズラインナップは、X1〜X6まで全てが出揃いました。

乗用車モデルでは1シリーズから始まりついに8シリーズも登場。X系の最上シリーズは今の所X6が担っていますが、X7開発中の噂もあり今後の展開から目が離せませんね。

周知の通りBMWのラインナップは偶数ナンバーのモデルがクーペタイプです。ご多分に漏れずX2もX1から派生したクーペタイプのSUV、という事になってはいますが、X4やX6ほど分かりやすいクーペシルエットにはなっていません。

どちらかと言えばコンサバティブなX1に対して、X2は新たな層を狙ったエントリーモデル的な位置付けです。

そんな今もっとも熱いSUVはいかに。

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BMW X2ラインナップ

最新のX2ラインナップは以下の通り。

X2 sDrive 18iStandard4,510,000円
M Sports X4,960,000円
X2 xDrive 18dM Sports X
Edition Joy+
5,270,000円
X2 xDrive 20iM Sports X5,310,000円
X2 xDrive 20dM Sports X
Edition Joy+
5,360,000円
X2 M35i7,010,000円

ディーゼルのX2 18d、20d、MパフォーマンスM35i追加!

デビュー当初は2モデルに2グレードずつで全4種のラインナップだったのが、2019年ディーゼルエンジンの18dと、MパフォーマンスモデルのM35iが追加。更に2020年によりパワフルなディーゼルエンジンの20dが投入されたことでラインナップが刷新。

前輪駆動2WDである下位モデルのsDrive 18i、4WDのxDrive 20i、同じく4WDディーゼルのxDrive 18d、20d、MパフォーマンスのM35iの4モデル体制に。

今までのBMW Xシリーズのグレードでは「Standard」と、よりSUVライクな「xLine」、都市型SUVライクな「Mスポーツ」の3グレード展開が恒例だった所、X2では「スタンダード」と「MスポーツX」の2グレード展開。MスポーツXは、さながら「xLine」と「Mスポーツ」のミックスバージョンといった所でBMWとして初の試みである。

当初はガソリン上位モデルの20iにもスタンダードとMスポーツXが用意されていたが、2019年の刷新で上位モデルはMスポーツXのみの展開となった模様。よって、スタンダードは2WDのsDrive 18iのみに設定となった。

ディーゼルエンジンの18d・20dもMスポーツXのみの設定に。

今回試乗したのは、赤字で示したガソリン上位モデルのX2 xDrive 20i M Sports X。

全5ユニットのエンジンスペックは、

X2 sDrive 18i

  • 1.5L直列3気筒ツインパワーターボ
  • 最高出力 140ps/4,600rpm
  • 最大トルク 220Nm/1,480-4,200rpm
  • 0-100km/h加速 9.6秒
  • 燃費 13.0km/L

X2 xDrive 20i

  • 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
  • 最高出力 192ps/5,000rpm
  • 最大トルク 280Nm/1,350-4,600rpm
  • 0-100km/h加速 7.4秒
  • 燃費 11.4km/L

X2 xDrive 18d

  • 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
  • 最高出力 150ps/4,000rpm
  • 最大トルク 350Nm/1,750-2,500rpm
  • 0-100km/h加速 9.3秒
  • 燃費 15.3km/L

X2 xDrive 20d

  • 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
  • 最高出力 190ps
  • 最大トルク 400Nm
  • 燃費 14.5km/L

X2 M35i

  • 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
  • 最高出力 306ps/5,000rpm
  • 最大トルク 450Nm/1,750-4,500rpm
  • 0-100km/h加速 4.9秒
  • 燃費 11.6km/L

となっている。ガソリンエンジンはX1の18i、20iと同じものが搭載され、よってエンジンスペックもほぼ同じ。しかし車重は18iで-20kg、20iで-40kgと共にX2の方が軽くなっていて、同エンジン・同スペックながら重量的にはX2の方がより有利であることが分かる。

ディーゼルエンジンは最高出力こそX1の18dと同等ながら、トルクはX1の330Nmに対し、X2が20Nm高い350Nm。車重は意外にもX2の方が20kg重いものの、0−100km/h加速は同じ、燃費はX1が19.6km/Lと僅かに良い。

新たに追加された20dに搭載されるディーゼルエンジンは兄貴分X3 20dに搭載されるものと同じで、出力・トルク共に同数値。車重が軽い分、X2 20dの方がよりトルクフルでチカラ強く走りそうな想像ができます。

これまでのBMW JAPANのラインナップではガソリンモデルが数種、ディーゼルエンジンモデルは一種類が慣例となっていたところ、今回新たにディーゼルエンジンモデルも二種用意されたのは特筆すべき点。

Edition Joy+でディーゼルがお得に

そして「Edition Joy+」グレードになったことで仕様・装備は変わらず実質的な値下げとなったディーゼルエンジンモデルとガソリンモデルの価格差はかなり小さくなった。

以前はガソリンの20iより20万円ほど高かったディーゼルの18dはなんと逆に4万円安くなり、20iと20dの価格差は僅か5万円ほど。

BMWの狙い通り、ディーゼルの売れ行きが良くなりそうな設定である。

試乗車はX2 xDrive 20i M Sports X+デビューパッケージetc...

MスポーツX、迫力の佇まい。

今回の試乗車はガソリン上位モデルX2 xDrive 20i M Sports Xにオプションてんこ盛りにした特別仕様車。

デビューパッケージ ¥362,000

  • BMW ヘッドアップ・ディスプレイ
  • アクティブ・クルーズ・コントロール<ストップ&ゴー機能付>
  • 20インチホイール
  • Mリヤ・スポイラー
  • 電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能付)

コンフォートパッケージ ¥110,000

  • オートマチック・テールゲート
  • フロントシートヒーティング(運転席&助手席)

セレクトパッケージ ¥186,000

  • 電動パノラマガラスサンルーフ
  • ラゲージパーティションネット
  • HiFiスピーカー・システム

3つ合わせて658,000円

レザーシートが唯一付いていないだけで、あとのオプションは全て装備されたほぼフル装備の豪華試乗車でした。車両本体が515万円+オプション65.8万円でトータル580.8万円の試乗車!

カラーはWEBやカタログ等々、あらゆる媒体でお馴染みのX2のイメージカラーである「ガルバニック・ゴールド」でした。

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いざ試乗。X2 xDrive 20i MスポーツXのエクステリア・インテリア

それではエクステリアから早速チェック。

エクステリア

ガルバニック・ゴールド

一見ド派手な「ガルバニック・ゴールド」

ガルバニックゴールドはMスポーツXにのみ設定されるX2のキーカラー。かなり派手かと思いきや、実物を見るとそこまで奇抜な訳でもなく普通にいい色です。

が、他車ではあまり見かけない色なだけに街なかを走れば目立つことは目立ちます。プロモーションでも使用されているだけにX2のアグレッシブなイメージを良く反映した「らしい」色。

他にもMスポーツXのみに設定されるカラーは、

アルピン・ホワイト

サンセット・オレンジ

ガルバニックゴールドと合わせた計3カラーがMスポーツX限定色となる。個人的にはガルバニックゴールドやサンセットオレンジ等、派手目な色の方がX2のキャラクターとマッチしていて◎。アルピンホワイトの実車も見ることが出来たが少々淡白な印象だった。

限定色以外ではおなじみのメディテラニアン・ブルーやブラック・サファイア、新色でスパークリング・ストーム・ブリリアント・エフェクトという色も。

メディテラニアン・ブルー

スパークリング・ストーム・ブリリアント・エフェクト

サイズ

ホイールベースはX1と変わらず。

スリーサイズは、

  • 全長 4,375mm
  • 全高 1,535mm
  • 全幅 1,825mm

ホイールベースは2,670mmでX1と変わらずで、80mm短く、75mm低く、5mm幅広くなったのがX2。全高が75mm低くなったことでアイポイントもいくらか低くなっているはずで、いい意味でSUVっぽくなく、乗用車と変わらない視点や走りの鋭さを獲得していた。

最低地上高はX1の185mmに対してX2が180mm。これくらいのクリアランスがあれば例えば雪道走行時はSUVとしての性能を充分に発揮できるはず。

走行性能を高めながらもSUVとしての機能も失わない実に絶妙なサイズ設定。

5mm拡大したとは言え全幅の1,825mmも日本の道路事情にはマッチしたサイズで、狭い町中を走ってもいても特段窮屈に感じることは無かった。

スタイリング

ハッチバックのような鋭いサイドビュー。

SUVと言うよりハッチバックのクロスカントリー版のような出で立ちで、ベンツのGLAとか、ボルボのV40クロスカントリー的な佇まい。もしかしたら次期1シリーズは逆にX2をハッチバック化したようなスタイリングになるのではないか?と感じさせるほど低重心でいかにも「走りそう」なデザイン。

カッコいい!!!

フローズン・グレーのサイドシル、ホイールアーチも特徴的で、オプションの20インチホイールの見た目のインパクトは

BMWはどのモデルにも共通するデザインアイコン、ディテールを持たせてブランドイメージの統一を図るのが主な戦略で、X1もこの戦略に則ってデザインされていた。しかしX2には例外的に他のモデルには見られないディテールやデザイン処理がちらほら見受けられる。

例えばこのCピラーのエンブレム。

他のモデルには見られない珍しいポイント。

現在のラインナップでCピラーにBMWのエンブレムが入るのはX2だけ。

他にもフロントバンパーの形状やディテールも他モデルのMスポーツとは一線を画するデザインになっている↓

現ラインナップで最もアグレッシブな顔つき。

 

ホイールアーチ、サイドシルと同色のフロントバンパーや、逆台形ではなく正台形になったキドニーグリル。両フォグランプ下の三角形デザインなど、顔つきからして今までの「BMWファミリー」には存在しなかった印象が与えられ、若々しく刺激的でやんちゃ坊主的キャラクターを与えられている。このあたり、イメージキャラクターに香取慎吾を起用したのも納得、というか見事な人選であったと思う。

リアのディテールもこれまでのMスポーツ的なバンパー形状を踏襲しつつ、新たに「MスポーツX」らしい造形が施された印象。

ガルバニックゴールドは表情豊かで◎

Mスポーツのバンパーはほとんどが黒だった所を、xLine的にグレーのバンパーをミックスした所が斬新さを感じさせる一番のポイント。他シリーズより明らかにポップで新鮮な印象を与えます。

ちなみにこのフローズングレーのバンパーはドアシル部にも続いているという小憎らしい演出が↓

Mスポーツのドアシルプレートにはまだ新車時のフィルムが。

うーむ。見れば見るほどに若々しく健康的でありながら、攻撃的、刺激的な装い。

素直にカッコいい。

X1のどこかコンサバティブで落ち着いたカッコよさも好きだし、X2のイケイケ感も◎。

都会が似合うアーバンSUV。

クルマごとの個性の与え方というか、キャラクターづくりというか。そういう所はホントBMWは上手いなと。改めて感じました。

にしてもこのガルバニックゴールド。光の当たり方でグッと深みが増してとてもいい色ですね。他カラーの実車はまだ見れていませんがベストカラーかもしれません。

ちなみにいかにも「街」が似合いそうな都市型SUVですが、自然の中にいてもこれはこれで違和感なく風格の佇まいです↓

緑の中にガルバニックゴールドが映える。

街も似合えば、田舎も似合う。イケメンです。

インテリア

イエロー・コントラストステッチ

コクピットはこれまでのBMW的レイアウトをそのまま踏襲。

スイッチの位置、機能、シフト操作する方向、インフォテイメントの操作法などなど、ほぼ全てが既存のBMWのそれと同じ作りで、一介のBMW乗りとしては操作に気を取られる事なく安心して運転できました。

運転席まわりはFFレイアウトだけあって幾分ゆとりを感じる設計。FR車と比べればセンターコンソールの盛り上がりが少ない分、収納も多い印象。だが敢えて悪く言うならば緩慢というか、包み込まれるようなタイトさに欠ける印象があるにはある。

ディテールで特徴的なのは、フロア・マットのイエローの縁取りとインパネやシートのイエローステッチ↓

MスポーツX仕様のアルミニウム・ヘキサゴントリムとイエローコントラストステッチ

シートにも同様のイエローコントラスト・ステッチ

このイエロー・コントラストステッチはガルバニック・ゴールドに付属するのかと思いきや、どうやらMスポーツXは全カラーこの仕様らしい。

後席はFFレイアウトの恩恵そのままに大人4人が座っても充分な広さを確保している。

全体的にコンパクトな印象はあってもホイールベースはX1と変わらず、居住性に大きな差は感じなかった。

寸法を見る限りヘッドクリアランスがタイトになったのかな?と思いきや、ここもそう窮屈に感じることは無く、X4やX6のようにリアが傾斜するクーペスタイルを採らなかった事が幸いしている模様。

全体的に「狭い」という印象は皆無で使い勝手もかなり良さそうでした。

ラゲージルーム

容量は470L。

ラゲージルームも同様に「狭い」という印象は皆無。容量こそX1より少ないものの大抵の用途には充分事足りるはず。しかも荷室床にも収納が隠れていて◎↓

ランフラットタイヤの恩恵。スペアタイヤスペースが丸々収納になる。

例えば1シリーズなどは前後の重量バランスを考慮してか、この部分にバッテリーが所狭しと設置されていて収納に困ることが多々あった。

X2に関してはそこはトレードオフで、工具類やブースターケーブル等々、クルマに常備しておきたいグッズの収納場所として提供されている。

かなり機能的なつくり。正直羨ましい・・・

全面跳ね上げればご覧のようなスペースが出現。そのまま高さのある荷物をドカンと積載してもよし、床下にしまって隠してしまうも良し。しかも床部が跳ね上げた所できちっとキープされるのも◎。

各種アクティビティに活用するクルマとしては地味に大事なポイントかもしれない。

電動パノラマガラスサンルーフ

あったらいいけど無くてもいい贅沢装備。

どのメーカーもデビューパッケージには必ず装備するのがこのサンルーフ。チルトアップ機構付きで、前部のガラスだけを僅かに開けて熱気の逃げ道にも使えるし、日よけスクリーンを開ければ車内が明るくなるし、ガラスも開ければより開放的なドライブが楽しめるが・・。

これだけで車重が30kg増してしまうのは考えもの。しかもそれだけの重量物が車両最上部にプラスされてしまうのはバランス上、決していいはずがない。と言うことで、個人的にはサンルーフ否定派です。

と、繰り返し述べていますが、新モデルのデビューパッケージには必ずと言っていいほど付いてきますね。

確かに開放的で気持ちはいいのだけれど・・・無くてもいいかな。の代表格。

ただ、下取り・買い取り時の査定にはプラスです。

 電動フロントシート

おなじみのニーサポートも装備(手動)

こちらもデビューパッケージに含まれる電動フロントシート。

前後、角度、高さ、背もたれ角の8way調整と、合わせてサイドミラー位置も記憶するメモリー機能、そして手動シート版にも装備されるサイドサポートの強弱調整機能。

デビューパッケージ以外では単体の受注生産オプションとしてお値段128,000円、もしくはハイラインパッケージとしてレザーシートと合わせてお値段302,000円で装備できる。

上位モデルならば標準装備されるものが、下位モデルではオプション扱いになるのがBMWの戦略。

正直、高い。

デビューパッケージについてくるならまだしも、単体128,000円で装備する価値があるかと言えば・・・悩ましい所。

あればイイけど、別に手動でも8way調整出来るし全然問題ないよ!

というのがいち手動シートユーザーとしての感想である。

個人的にはシート角を最大限傾けて背中側に沈み込むポジションが好みなので、手動だろうと電動だろうとBMWの場合は◎

他メーカーでは稀に手動シート故に座面角調整が出来ないクルマもあって、その場合は譲れないポイントだったりする。

インフォテイメントシステム

ディスプレイは8.8型、タッチ操作対応に。

大型のディスプレイを装備する最新のボルボや、音声対応アシスタントを装備するメルセデスなどに比べるとBMWのインフォテイメントシステムはあまり進化が無いように思われる。が、実際はものすごく良くできているのがBMWのシステム。

ドライブ中の視線移動を極力少なくすべくダッシュボード最上部にディスプレイが搭載され、一見小さい画面も運転の妨げとならぬよう考慮されたサイズ。手元のコントローラーの使い勝手は秀逸だし、なおかつX2のディスプレイは上位シリーズよりサイズこそ小さいものの同じくタッチパネル対応となった。

手元にコントローラーが無く、タッチパネルだけで対応するクルマもたくさんあるが、そのパターンだと本当に操作がしづらく運転中は特に煩わしい。かと言って、コントローラーのみだと機能によっては直感的な操作が損なわれる場面もあるので、タッチパネルにも対応して欲しい。

その両方のいいとこ取りなのがこのシステム。

基本的には手元のコントローラーで操作するが、時によっては画面まで手を伸ばしてタッチパネル操作。という使い方がとても自然で試乗中もストレスなく使うことが出来た。

なにより「ドライブに集中出来るように」全てがデザインされ、インフォテイメントシステムはあくまでも「脇役」であってドライブに支障をきたす存在であってはならない。という思想が見て取れて好印象。名前を出して申し訳ないが、ティグアンなんかは酷いものだった・・・。

「ドライバーズカー」を標榜するメーカーではこうした思想でインフォテイメントシステムを装備している所が少なくなく、アルファロメオや国産ではマツダもBMWと似たシステムになっているのが興味深い所。時代の流れに乗って変にあれこれと機能を盛り込みすぎず、今後もこの方向で行ってくれることを願うばかり。

ちなみに、HDDナビも標準搭載されてはいるが・・・Googleマップの勝ち。これはもうメーカー・車種に関わらず、Googleのテクノロジーの勝利だろう。メーカーによってはナビの標準搭載を止め、Android・iOSとの連携強化に動いている所もあり、時代の必然。という感じ。

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BMW X2のエンジン、走り、ハンドリング!

エンジン

そういえばX1のエンジンにはBMWエンブレムがあったが・・X2は無い。

試乗車は前述の通りX2 xDrive 20i。2.0L直列4気筒ツインパワーターボエンジン。スペックを再掲すると、

X2 xDrive 20i

  • 2.0L直列4気筒ツインパワーターボ
  • 最高出力 141kW/5,000rpm
  • 最大トルク 280Nm/1,350-4,600rpm
  • 0-100km/h加速 7.4秒
  • 燃費 14.6km/L

こんな感じ。

ディーゼルに乗りなれた身として色んな部分で「やっぱりディーゼルの方が・・・」とディーゼル贔屓になってしまうかな?と思っていたが、実際はなんのその。このガソリンエンジンも充分に魅力的。

まず、そもそもX2が比較的コンパクトで軽量であることにも助けられて、出足の良さ、スピードの乗りにストレスを感じることなど皆無。じつに「軽快」。文字の通り、軽くて快よい。

そしてディーゼルに慣れた体で一番感じたのは停止時の静けさ。「アイドリングストップ作動中か?」と感じるほど無音無振動だったが、驚くことにエンジンは普通に稼働していてビックリ。このクラスのエンジンになればこれくらいは普通だろうが、ディーゼルとの違いを一番に感じたポイントだった。

傾斜のきつい登り坂なんかに来ると、「さすがにここはディーゼルに分があるな」と感じる場面もあるにはあった。が、全体的にはとても良く回るし、欲しい時に欲しいだけのパワーを供給してくれる。バンバン高回転まで回して楽しみたいエンジン。

ただし燃費は悪い。試乗距離にしておよそ120kmほど、街中走行あり、高速走行あり、ほとんどを山道・坂道を登ったり下ったりで常にスポーツモード、ガンガンアクセルを踏む走り方で、かろうじて8km/Lに届く程であった。

カタログ値は14.6km/L。

同じような走り方でディーゼルのX1 18dや、我が118dは平気で14km〜15km/L走ることを考えると少々厳しい。おまけに燃油はハイオク指定であり、燃油代ベースでは更に差が開く。

そういう諸々を考慮すると、

やっぱりディーゼルエンジンがいい

という結論に達してしまうのだが、、、いや、でもとても良いエンジンです。はい。

トランスミッションは8速AT

20iは8速AT、18iは7速DCT。

sDrive18iはスタンダード、MスポーツX両グレード共に7速DCT。xDrive20iではスタンダードに8速AT、MスポーツXは8速スポーツATとなる。MスポーツXにはもちろんパドルシフトも装備。

シフトノブ「D」状態から左に倒せばより高回転までシフトチェンジを遅らす「スポーツAT」モードに、そしてここから更にパドルシフトなりシフトノブでギアチェンジをすると「マニュアル」モードに移行。トランスミッションに無理がかからない範囲でシフト操作はMTとなる。無理が掛かっているとシステムが判断すればMTモード中でも自動変速される。

ドライビングパフォーマンスコントロールは

  • スポーツ
  • コンフォート
  • ECO PRO

おなじみの3パターン。スポーツモードでは加速はより鋭く、変速タイミングも変わり、サーボトロニックが標準装備されているためステアリングフィールも重ために。

そして、20iにはヒルディセントコントロールも標準装備。長いことクルマに乗っていてヒルディセントコントロールが欲しい!と感じたことは無いが・・・まあ良し。

8速ATは相変わらず素晴らしい。変速ショックもほぼ感じさせず淡々とシフトチェンジをこなしてくれる。逆に減速時、特に長い下り坂の時などは車速が上がっても安易にシフトアップせず、低いギアを保ってエンジンブレーキを効かせてくれるのも素晴らしい。ATにありがちな「いや今シフトチェンジして欲しくないんだよなぁ。。」的なことがほとんどないのがこのATの素敵な所。とても優秀で上質。

エンジン然り、トランスミッション然り、「走り」に関わる所は上位シリーズも下位シリーズも見境なく上等なものを積んでくれるのがたまらなく嬉しい。

いざ肝心の走り・ハンドリング!

Mスポーツ共通の太めのステアリング。

そして肝心要のX2の走り。こちらは期待通りに素晴らしい!

想像を裏切らないというか、噂通りというか、そこそこ車高のあるSUVにも関わらず、動き方・走り方の感覚はほぼハッチバックに近い。オプション20インチホイールのお陰もあってほとんどロールを感じないし、動きも俊敏。車高を感じない、と言うか忘れるような感覚。う〜む。さすがの一言。

X1の時も「この車高でこんなに走れるの!?」と驚き、X3では「こんな大きいのにこの身のこなし!?」と感嘆し、X2でもそのサプライズはしっかりと継承されている。X1のクーペタイプ版だけあって明らかに運動能力は向上、というか「若返っている」という言い方がしっくるくる。右に左に反応鋭く切り返すし、エンジンはパワフル。まさに駆け抜ける、元気で若いクルマ。

エネルギーが有り余っててしょうがない!

そんな10代の若造のようなフレッシュな雰囲気で、若者受け、若者狙いでプロモーションを打ったBMWの意図そのままのクルマという感じ。素直に楽しい。

必要にして充分なアナログメーター。

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は標準装備。

ドライブ関連の装備を確認すると、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が全車標準装備なのは嬉しい。高速道路上で活用すると思われるACCだが、実は一般道でもかなり重宝する。

ダラダラペースの幹線道路や、追い越しのかけられない一車線道路での走行など、運転を楽しむ状況にない時にACCを作動させておくとかなり楽チン。今や必須の装備でいよいよ標準装備化したのは嬉しいところ。

そしてメーターは既存のアナログ表示。新型X3ではフルデジタル表示となっており先進装備の趣が感じられたが、そこまで格段に便利なものではなくアナログで充分。視認性・簡潔性でもアナログの方が秀でているのではないか、とも感じる。

オプション20インチはやや過剰か。

タイヤはピレリP ZEROランフラット。確かにカッコいいが・・

今回の試乗車はデビューパッケージ装備につき、オプションとなる20インチホイールが装着されていた。標準装備はスタンダードで17インチ、MスポーツXでも19インチだから、20インチはかなり大きい。

確かに見た目のインパクトは格段に良くなり、カッコよくはなるのだが同時に乗り味は硬質になる訳で、その辺りのバランスをどう取るかは悩ましい所。おまけにBMWはランフラットタイヤである。

パンクしても一定距離を走れるように、一般的なラジアルタイヤよりサイドウォールが硬く出来ているランフラットタイヤは乗り味も硬くなりやすい。

まだ走行距離も浅く、タイヤ自体もフレッシュで柔らかいはずだが、それでも全体的にはとても硬かった印象。ワインディングや高速域に入れば逆に大口径ホイールの威力が発揮されるのだが、街中を低速で流している時なんかは20インチ+ランフラットのネガティブな面が強調される。ゴツンゴツン感が凄い。

まだゴムの柔らかさを保っている状態でこの乗り心地だと、距離を重ねて硬化してきた時には物凄く悪化するんじゃなかろうかと心配になった。

FFベースのデメリットなどほぼ感じず

前後重量配分は

  • 前軸重940kg
  • 後軸重720kg

で、割合にして57:43 。X1とピタリ同じである。

伝統の前後50:50は実現出来ないにしろ、FFとは言え4WDである訳で、そう考えると50:50のFR車よりも走行安定性は高いのではないか。と感じる場面もしばしば。

例えば比較的勾配の付いた登りのヘアピンカーブ。カーブ出口、体勢が戻りきる前にグッとアクセルを踏むとFR車である我が118dでは後輪がズルっと滑りDSCが介入することが多々あるが、FF4WDのX2ではそうした場面でもしっかりと四輪が付いてくる。

FR車は前輪が駆動に関わっていない分、とにかくハンドリングがピュアでクリーンだと言われる。確かにその通りで、どこか上質な、クオリティの高いハンドリングフィールがその特徴だと感じる。対してFF車は前輪が駆動と操舵両方に関わる為、ハンドリングに雑味が交じる感触がある。と言われる。

確かに言われてみればその通りで、各種FR車、例えば新型ジムニーなんかもFR故に「よくわからないけどなんか上質」な感じが確かにある。対してFFのBMWにその感じが無いかと言えば、決してそんな事はなく、かすかに雑味を感じる「かもしれない」という極些細なレベルに達している。例えるならばミネラルウォーターと上質な水道水くらいのもので、「そりゃあミネラルウォーターの方が美味しいが、ここの水道水もかなり美味しいぞ」てな具合。

スタイリング的な面で、ロングノーズ化するFR車の方が俄然カッコいいとは思うがそれを補うに余りあるメリットがFF車にあるのも事実。

3シリーズ、X3以上のモデルでは伝統のFRベースを継承しつつ、1・2シリーズ、X1、X2ではFFベースでのメリット・クオリティを開拓する。という二極戦略が功を奏しているように思う。

FFのBMW、侮れない!!欲しいっ!!

ところでクルマ買い替えのファーストステップは・・愛車の査定!です。

今の愛車がどれくらいの値段で売れるのか。いきなりディーラーで下取り交渉をするのではなく、買取市場ではどれくらいの値段が付くのかをまず知らなければなりません。

数社で競合させると驚きの値が付くこともありますよ。私の走行10万キロ超えのレガシィは驚きの60万で売ることができました。

まずは愛車の一括査定 >

まずは愛車の市場価値を調査!

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